移住のきっかけを教えてください。
綾香:知人が主宰するマクロビオティック料理教室のために川根本町に月1回通っていました。そこで地域おこし協力隊を募集していることを聞いたのがきっかけです。
昌永:2020年に結婚してからお隣の島田市に住んでいたんですが、その話を聞いたのが、ちょうど前の仕事を辞めていた時期でした。二人とも山や海が好きなので、どこか自然豊かなところに移住したいね、と以前から話してはいたんです。
それで地域おこし協力隊に応募したんですね?
昌永:はい。2024年の1月末だったかな。応募して面接、採用と1か月の間にトントンと決まって、3月末にはバタバタと引っ越しを終えました。
急な展開ですが、不安はなかったですか?
昌永:水と空気のきれいなところを探していたので、(静岡県)藤枝市の山間部も見学に行ったりしていたんです。そこと比べると川根本町はかなり「山奥」というイメージでした。自分は寒がりなので「冬を越せるのかな?」というのが一番心配でしたね。(※取材時は川根本町の冬を未経験)
綾香:私は月に一度、島田市から川根本町に通うようになって、最初は「すごく遠いな」と思ったんですが、だんだん距離が近く感じるようになっていました。知り合いもいるし、大きな不安はなかったですね。
移住されて約半年が経ったわけですが、印象的だった出来事はありますか?
昌永:引っ越し初日の夜にみた星空、流れ星がとても感動的でした。新生活のいいスタートが切れたような気がしましたね。協力隊の活動でもそうですが、自然が身近にあることを感じながら日々暮らしています。
綾香:子どもを連れて散歩していると、近所の人たちが気軽に声をかけてくれるんです。夫も私も社交的なタイプではないんですが、子どもの存在が地域に入っていくきっかけになって、温かく迎え入れてもらえることがありがたいですね。
「自然に寄り添った暮らしがしたい」と川根本町を選ばれたお二人ですが、 移住前と移住後で何かギャップは感じましたか?
綾香:田舎は子どもが少ないと聞いていたんですが、少ないからこそ関わりが深いなと感じています。ママ友もできました。子育て支援センターや「てんでんこ」 に行けば、友だちに会えますし、最近は「きりんの会」という子育ての会のイベントにも参加しています。あと、川根本町には自分で野菜を作っている人がたくさんいるんですが、売っている場所が少ないと思います。地元のスーパーには地元産ではなく、県外産の野菜がたくさん並んでいたり…。もっと地元の野菜が身近で買えるといいなと思います。
藤田さんたちは移住してまだ半年ですからね。知り合いが増えれば、季節の野菜をもらう機会も増えると思いますよ。みんな誰かにあげたくてしょうがないんです(笑)
昌永:僕たちは今、公営住宅に住んでいて、ご近所の付き合いというのもまだそんなにないんです。もっと地域の人と親交を深めなきゃいけませんね。
地域おこし協力隊として主に(一社)エコティかわねで活動されていますね?どんなことをされているんでしょうか?
昌永:僕の活動のミッションが「エコツーリズムの推進」「体験型ツーリズムの企画・運営」です。エコティかわねでは、旅行会社からの依頼を受けて寸又峡や接岨峡のガイドをしています。まったくの未経験だったので、最初は先輩ガイドについて研修しましたが、最近は一人でお客さんの案内をすることも増えてきました。他にも、カヤックやSUPプログラムのスタッフ、事務所で旅行会社やお客さんとのやり取りや事務作業などもやっています。
約半年でガイドデビューとはすごいですね。実際にガイドしてみてどうですか?
昌永:ガイドの役割はいろいろあると思いますが、「その場でしか味わえない感動を提供すること」だと思います。先輩ガイドが「ガイドはお客さんと一緒に感動すること」と話していたのが印象的でした。たとえもう何十回も来ている場所、見ている景色だとしても、「うわー、すごいですね!」とガイドが演出することで、お客さんの感動が何倍にもなるのだ、と。まだまだ勉強中ですが、ガイドの仕事を通じて一人でも多くの方に川根本町のファンになっていただけるよう頑張りたいです。
今後、地域おこし協力隊としてやってみたことはありますか?
昌永:この町の自然、歴史、文化を保全、継承している「人」に焦点を当てた企画を考えいます。歴史文化に詳しい人や自然に寄り添った暮らしをしている人などにインタビューして、この町の人の魅力を動画で発信していくつもりです。普段は寸又峡や接岨峡など町の北部地域で活動することが多く、まだ町内全域を回りきれていないので、この企画を通じてさまざまな人と知り合いたいです。そしていつか体験型ツアーとのコラボができればと思っています。
お二人はお休みの日はどう過ごしていますか?
家の中で過ごすこともあれば、家族で出かけることもありますね。半々くらいかな?
町内でどこかお気に入りの場所はありますか?
綾香:子どもがまだ小さいのでどうしても行く場所が限られてしまうんですが、上岸にある「stories cafe&books」にはよく行きますね。友人がやっているカフェです。子どもを自由に遊ばせられるし、のんびり過ごせるのが魅力です。
あと、川根本町文化会館もオススメです。こんなこと言っていいのか分からないんですが、平日は人が少ないのがいいんです(笑) 子どもが騒いでも安心だし、ホワイエでハイハイの練習をしたりしてます。
これらだけじゃなくて、川根本町は空気がいいので、安心して外で子どもを遊ばせることができます。虫や花もあちこちで見かけるし、自然の中ですくすく育ってほしいです。
昌永:僕のオススメは、とある場所の水くみ場です。沢の水が湧き出ていて、週に一度ほど汲みに行っています。本当においしいんですよ。そこでいつも掃除をしてくれているおじいさんと仲良くなったりもしました。といっても、名前は知らないんですが(笑)
半年間で川根本町の生活にすっかり馴染んでいますね。今後、お気に入りスポットがどんどん増えそうですね。
ところで今、お家を探していると聞いたのですが…
綾香:半農半Xというか、自然に寄り添った暮らしをしたくて移住したので、それを実現できる家を探しています。私は絵を描くので、自分の家の周りを畑にして、そこでアート体験をするなど、「開かれたアトリエ」というか、いろんな人が関われる場所にしたいと想いもあります。私自身、自然の中にいるのがとても心地いいんです。
どうやってお家を探しているんですか?
綾香:綾香:空き家バンクの物件を見学させてもらったこともありました。あとは自分でいろいろ歩いて「あの家は空いているかな?」と思ったら近所の人に聞いてみたり…。 「家を探している」と言うと、ありがたいことにいろんな人が情報をくれるんです。
なかなか行動的ですね。
家を探すときに大事にしたい条件はありますか?
昌永:これは妻のほうがたくさんありますね(笑)
綾香:日当たりや風通しもそうですが、家が密集していない静かな場所がいいです。畑をやりたいので、農地が付いている一軒家を希望しています。
お二人の夢を実現するため、いい家が見つかるといいですね。
今後移住を考えている人へのアドバイスはありますか?
昌永:川根本町は公営住宅の一部を移住お試し住宅にしていますよね。この制度はとてもいいんじゃいないかな、と思います。お試し住宅(2024年10月当時)の前の景観はとても開けていて、大井川や山々が見渡せますよね。川根本町の雰囲気を象徴しているんじゃないかな。
綾香:私たちも公営住宅に住んでいますが、同じ年代のお子さんもいて、それは良かったなと思います。移住する前に空き家を購入するのもいいですが、まずは賃貸物件に住みながら地域のことを知って、人脈を広げた上で物件を探していくのもいいかなと思います。川根本町は広いし、集落によって雰囲気も違いますから。
ありがとうございます。藤田さんファミリーの暮らしはまだまだ始まったばかりですもんね。応援してます!
取材日:2024年10月