教えて! 先輩移住者さん

塚島史朗さん 塚島クレアさん
泊まってくださるお客さんも、私たちも、みんなが未完成。一緒に完成に近づけていけるような場所に。
Profile
  • 塚島史朗しろうさん 30代
    出身
    神奈川県
    前居住地
    神奈川県
    移住時期
    2022
    前職
    会社員
    現職
    ゲストハウスオーナー
  • 塚島クレアさん 30代
    出身
    アメリカ
    前居住地
    神奈川県

史郎:私は長崎県出身ですが、高校から大学院までは神奈川県で過ごして、その後エンジニアとして就職しました。その職場は、必ず1年ごと転勤があって、24歳の時に吉田町に移りました。その後1年で神奈川県に戻り、その後、今の会社に転職しました。       

クレア:私はアメリカ・カリフォルニア州のヨセミテの出身です。ヨセミテは国立公園が有名なところですが、私の住んでいたところは田舎の町で、スーパーもコンビニもないところだったんですよ。          

英語の教師として日本に来て、牧之原市、茨城の鹿島市、神奈川県の大和市にも住みました。史郎とは、牧之原市に住んでいるときに知り合いました。

史郎:実は、初デートの行き先が川根本町だったんですよ。寸又峡温泉に行ったんですが、その日、たまたま地区の人たちが夏祭りの盆踊りの練習をしていて、その人たちが声をかけてくれたんです。「一緒にやりましょ」って。日本語が分からないクレアにもですよ。クレア自身も、言葉が分からないながらも地元の人と一緒に盆踊りを踊って、それがすごく楽しかったんです。川根本町に来たのはその1回きりだったんですが、すごく印象的な思い出となりました。
当時から、ずっと「ゲストハウスを開きたい」と考えていて、クレアともそんな話をしていたんですが、日々忙しく過ごしているうちに、いつの間にか10年経っていました。
もう一度、ゲストハウスを考え始めたのは、新型コロナが収束して、勤めていた会社が在宅ワークからオフィスへの出勤に切り替わったことがきっかけでした。
クレアに言われたんですよ。「ゲストハウスはいつやるの?このままじゃ一生やらずに終わっちゃうよ」って。その言葉で一念発起して、移住してゲストハウスをやろうって決めたんです。


移住先としては、当初、友人たちがいる吉田町を考えていました。僕は海のそばで育ってきたので、やるなら海に近いところがいいかなと。ただ、クレアは山で育ってきたので山のそばがいいと。クレアの「海は夏しか楽しめないけれど、山は一年通して四季を楽しめる」っていう言葉を聞いて、山の方で探そうということになりました。 で、その時2人が思い出したのが、初デートで行った「川根本町」のことだったんです。

史郎・クレア:先輩移住者が経営しているゲストハウスに滞在しながら、その人から色々と話を聞きました。すでに移住している外国人の方も紹介してもらって、外国人の目線では川根本町がどのように見えるかといった話も聞けたのでよかったです。

史郎・クレア:生活環境という面では、神奈川で暮らしていたときと「そこまで変わらないかな」という印象です。日常的に買い物できる店もあるしネットスーパーも利用できるし、あまり不便は感じません。もちろんショッピングセンターがないとか、大きな病院がないという部分はありますが、緊急時にはちゃんと救急車が来てくれますし、隣の市の大きな病院まで40分くらいで行ってくれますので安心感はあります。
初めて川根本町を訪れた時には存在しなかったトンネルができていたり、道路が広くなっていたりして、昔よりもずっと行き来がしやすくなった感じがします。
クレアが育ったアメリカは長距離移動が当たり前の国ですので、車で1時間程度なら苦にもなりません。

史郎:趣味がすごく増えました。サッカー、バスケ、太鼓、神楽などなど。イベントを開催するといった活動もしています。なので週末がめっちゃ忙しい(笑)
 都市部に住んでいたときは、仕事が終わって、映画を見たり、ご飯を食べたり、友達とお酒を飲んだり。特に何を買うわけでもないのに街をブラブラするとか。
何も考えずに毎日を過ごしていたんだなあと、田舎に来てつくづく実感します。

クレア:だいぶ日本語が上手になってきました。あと、友達が増えました。また、この家の改装中はお風呂がなくて、小長井地区の生きがいの湯に通っていました。温泉効果でお肌もスベスベですし、風呂友もできました(笑)

静岡県の人というと「親身になってくれるイメージ。でも決して押しつけがましくない」そんなイメージがありました。
実際に、川根本町の人も人柄がすごく良くて、いい距離感で付き合ってくれるのが、とても心地よく感じています。今年、地元のお祭りの準備に参加をしたんですが、地区の人が「付き合いは強制ではないからね」と言ってくれてすごく気が楽になりました。あと、ご近所さんが鹿肉やゴーヤを大量に差し入れてくれます(笑)

近くの川で遊ぶのが2人とも好きです。
山の緑色と、川の青い色が好き。変わらずにずっと残ってほしいです。

僕たちは、移住するにあたって問題になりそうな点をリスト化していました。食費や光熱費がいくらかかるかなど、そうやって明確化しておくといいと思います。家を購入する際も、何を大事にするか2人で話して、優先順位トップ3をつけていました。ちなみに僕たちの優先順位のトップは「日当たり」。そこだけは譲れない項目でした。
あと、お勧めするのは、川根本町のいろんな集落を訪ねてみる。集落ごとイメージが違うので、実際に自分たちの目で見るのがすごく大事。最初に見た1カ所に決めてしまうのはすごくもったいないですね。

令和5年7月20日にゲストハウスをオープンしましたが、そこにたどり着くまでに18カ月かかりました。最初の半年は家の内外の片付け作業、そのあと2か月かけて床や壁などの解体作業。建物の構造上重要な部分は大工さんに頼みましたが、それ以外のところは自分たちでやるようにしました。
2人ともDIYの経験はありませんでしたが、大工さんに教わったり、動画を見たりしながら、友達にも手伝ってもらって、なんとか今の形になりました。

泊まってくださるお客さんも、私たちも、まだまだみんなが未完成だと。ここに泊まりに来て、何か学んで、一緒に完成に近づいていきたい。そんなイメージでこの名前をつけました。

川根本町には起業する人向けの補助金がありますので、それを使いました。あとは町の住宅改修補助なども使いましたね。

友人が子ども連れで遊びに来てくれています。子どもが外で遊びまわっていると近所の方たちも喜んでくれます。宿泊のお客様に関しては、ネットの宿泊サイトや、町の事業者が実施しているインバウンド向けツアーを利用して泊まる方もいますね。お子さんが日本に興味があって親と一緒に訪れるというパターンが多いです。

クレア:ゲストハウスを使って、人が集まってワイワイやるみたいなイベントをたくさん開きたいと思っています。それを通じて、地元の人と外から来た人をつなげられるような、そんな場所になっていったらいいな。

史郎:近所に遊休土地があって、持ち主の方から「好きに使って!」って言われたので、そこを使って公園をつくりたいと思っています。近所の子どもやお客さんの子どもが一緒になって遊べるような、そんな公園をつくりたい。これはマジでやりたいです(笑)。

取材日:2024年10月

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